知的財産権の共有

土地や建物の権利を複数人で共有するということは一般的です。

ふだんあまり法律に触れない方であっても、例えば親からお金を出してもらって家を買った場合に、持ち分を半々にして登記する、なんてことをした経験がある方は多いのではないでしょうか。

これは厳密には、所有権を共有しているということになります。

 

知的財産権も所有権と同じく法律上の「権利」ですので、複数人で共有することが可能です。ただ、共有となった場合の法律上のルールが、知的財産権の内容によって異なりますので注意が必要です。

 

例えば、特許権の場合、共有されていても、特許権の対象になっている発明品を製造販売したりすること(法律用語で「自己実施」などといいます)は、それぞれが自由にできます。

一方で、著作権の場合、共有されている場合、共有者全員の合意がなければ著作物を利用することができません。そうすると、例えばある音楽の著作権を他人と共有している場合、全員の合意がなければ、その音楽をパソコンに取り込んだりポータブルプレーヤーに転送したりということができなくなります。

 

一応、著作権法上、共有者が他の共有者の利用を拒否する場合には「正当な理由」がなければならないことになっているので、自分勝手な共有者がいるから音楽を自由に利用できない、といった事態への手当はされていますが、それでもいちいち合意をとらなきゃいけないのは面倒です。そこで、著作権が共有される場合には、あらかじめ共有者間で、それぞれが自由に利用できることを契約で決めておいたりします。

 

権利ごとの法律上のルールの違いを忘れていると、思わぬ落とし穴にハマることがありますので要注意ですね。契約書の作成を弁護士に依頼するメリットは、契約書の文言を整えてくれることに加えて、こういった法律上の落とし穴をしっかり回避してくれる点にあるのだと思っています(自戒を込めて。。。)。